ラジオは災害発生時に不可欠なツールであり、停電やネットワーク障害があっても重要な救助や支援情報を提供します。
現代ではインターネットの普及によりラジオの重要性が見落とされがちですが、防災ラジオはこれらの状況下で役立つ唯一の情報源となることがあります。
また、有名メーカーの製品が常に最適とは限らず、市町村が無料で提供する場合もあります。
そのため、この記事では防災士がおすすめする防災ラジオをご紹介します。
その必要性と選定基準を解説します。
防災グッズにラジオは必要?
結論、防災グッズを準備する際防災ラジオは絶対必要です。
防災ラジオの必需性についての3つのポイント
- 常時使用可能 – ネット接続や外部電源を必要とせず、いつでもどこでも使用できる。
- 信頼性の高い情報源 – 公式な放送を通じて、正確で信頼性のある最新情報を提供。
- 非常用ライト機能 – 電力が失われた状況下でも、照明として活用可能。
災害時にスマートフォンやタブレットを用いたSNSからの情報収集は便利ですが、自由に投稿できるため、必ずしも情報の信頼性が保証されるわけではありません。
実際、災害発生時には不正確な情報や誤報が広まりがちです。
これに対し、ラジオは長年にわたる信頼性と実績を持つメディアであり、地域密着型の正確な情報を提供します。
これには避難所の状況、安否情報、炊き出しや給水の最新情報などが含まれ、適切な状況判断をサポートしてくれます。
さらに、ラジオはインターネット接続を必要としないため、通信インフラが寸断された状況でも情報を受信できます。
防災用ラジオは電池操作や手回し発電が可能なモデルも多く、電源の心配が少ないため、災害対策として非常に有効です。
ラジオの選び方について
防災ラジオ選びの重要ポイントをお伝えします。
- 受信周波数の対応範囲 – 選ぶ際は、AMやFMだけでなく、ワイドFMなど広い範囲の周波数に対応しているかを確認しましょう。
- 充電オプション – 電池、USB、手回し、ソーラーなど、複数の充電方法に対応しているモデルが便利です。
- 追加機能の利便性 – LEDライト、USBポートでのデバイス充電、緊急ブザー、気象情報アクセスなど、災害用に特化した便利な追加機能が備わっているかもチェックしましょう。
一つずつ詳しく見ていきます。
受信周波数の対応範囲
防災ラジオでは、主に「AM」、「FM」、「ワイドFM」の3つの周波数帯域に対応しています。
それぞれの特徴を簡潔に見てみましょう。
AMラジオ:
- 消費電力: 比較的少ない。
- 受信範囲: 広範囲にわたり受信可能。
- 音質: やや劣るものの、遠距離からの放送を受信できるため、広範囲の災害情報取得に有効。
- 混信: 他の周波数との干渉により、雑音が入りやすい。
FMラジオ:
- 音質: 高音質でクリアな聞き取りが可能。
- 消費電力: AMに比べて多い。
- 受信範囲: 比較的狭い範囲の放送しか受信できないが、その範囲内では情報がクリアに受け取れる。
- 雑音: 弱い電波を遮断しやすく、清潔な音質を提供。
ワイドFM:
- 特徴: FMの周波数でAM放送を聞ける機能を持ち、普通のFMよりも遠距離のAM放送をクリアに受信可能。
- 利点: 雑音や混信が少なく、災害時でもより信頼性の高い情報を確実に受信できる。
これらの違いを理解することで、災害時における情報収集の信頼性と範囲を最大化できる防災ラジオを選ぶのに役立ちます。
各周波数帯がどのように機能するかを考慮し、自身のニーズに最適なラジオを選びましょう。
充電オプション
多くの人がインターネットで「手回しラジオ 使えない」と検索しており、手回しやソーラー充電機能を備えた防災ラジオについて検討している方も多いです。
これらのタイプは災害時においてはあまり信頼できないとされることがあります。
- 手回し発電は、効率が低く、持続的にハンドルを回し続ける必要があり、体力を大幅に消耗します。
短時間の使用であれば可能ですが、長時間にわたる使用は現実的ではないと言えます。
- ソーラー充電は日中の晴れた日には有効ですが、十分な充電には長時間の直射日光が必要で、災害時には常にその条件が揃うとは限りません。
しかし、日常的に使用し、充電状態を保てる環境であればソーラータイプは有用です。
結論として、非常時にすぐに使えるように、乾電池を使用できるラジオを選び、長期間保存可能な乾電池と共に保管しておくことが最も確実です。
非常時には予備の乾電池を用意しておくことで、「電池切れ」による不便を防ぐことができます。
追加機能ラジオの重宝
次に、防災用品として役立つ機能について説明します。
- 夜間の使用に便利な照明機能 – 暗い場所や夜間でも活動がしやすくなるため、照明が付いていると安心です。
多くの防災ラジオには照明機能が付属していますが、その種類はさまざまです。広い範囲を明るくすることができるタイプの照明は、停電時などの緊急事態において主要な光源として非常に便利です。選ぶ際には、広範囲を照らせる機能を持つモデルを推奨します。これにより、一点だけを照らすタイプよりも多くのスペースで役立てることが可能です。 - イヤホンジャックの搭載 – 避難所などで周囲に迷惑をかけずに使用することができます。
- 防水機能 – ラジオが水に濡れる環境でも使用できるように、「IP△〇」などの防水等級を確認しておくと良いです。防水機能が付いた製品は、予期せぬ雨や洪水の際にも使用可能です。製品の説明に記載されている「IPX3」や「IPX4」という表記は、国際的な防水基準を示しています。「IP」表記に続く数字は、製品がどの程度の防塵および防水性能を持っているかを示します。例えば、「IPX3」の場合は、水滴に対するある程度の防水が確保されており、通常の雨程度なら製品を保護できます。「IPX4」はそれよりも強い防水性能を持ち、飛沫を防ぐことができます。
また、「IP」の後に「X」が付く場合は、その部分の試験が実施されていないことを意味します。
例えば「IPX4」では防塵性は試験されていないことになります。
各数字は性能が高いほど大きくなり、製品の保護能力が向上しています。
- 十分なバッテリー容量 – 2000mAh以上のバッテリー容量があれば、長時間の使用にも対応でき、より安心です。mAh、つまりミリアンペアアワーは、バッテリーの容量を表す単位です。多くの防災ラジオはモバイルバッテリー機能を備えており、スマートフォンや携帯電話を充電することが可能です。バッテリーの容量が大きければ大きいほど長く使用できますが、それに伴い重量も増加するため、持ち運びには不便が生じることがあります。そのため、災害時の持ち運びを考えると、軽量であることが重要です。2000mAhの容量であれば、一般的にはビデオ再生を約8時間行うことができ、日常的な使用に十分な容量と言えるでしょう
これらの機能があると、災害時においてもより快適に、そして安全に過ごすことが可能になります。
「防水の保護レベルの階級と内容」に関する表です。
IPコード | 防水の保護のレベル・定義 |
---|---|
IPX0 | 無保護。水に弱い。というかダメ。 |
IPX1 | 鉛直(垂直)に落下する水滴で浸水しない(防滴Ⅰ形) |
IPX2 | 垂直から15度までの角度で落下する水滴で浸水しない(防滴Ⅱ形) |
IPX3 | 散水されても浸水しない。垂直から60度まで(防雨形) |
IPX4 | さまざまな方向からの水の飛まつで浸水しない(防まつ形) |
IPX5 | さまざまな方向からの噴流で浸水しない(防噴流形) |
IPX6 | さまざまな方向からの暴噴流で浸水しない(耐水形) |
この表は、各IPコードごとに防水性能のレベルとその定義を示しています。
数字が大きくなるほど、防水性能が高まることを示しており、使用環境に応じた適切な製品選びに役立てることができます。
防災士がおすすめする防災ラジオ10選
- ソニー ポータブルラジオ ICF-B99
- USB充電対応で、パソコンやモバイルバッテリーからも充電可能。
- アイリスオーヤマ 手回し充電ラジオライト JTL-29
- 手回し発電とLEDライト機能が備わっており、非常に実用的。
- オーム電機 AM/FMポケットラジオ RAD-P212S-S
- コンパクトながら、AMとFMの受信が可能。
- 防災防犯ダイレクト 防災ラジオライト5000
- 手回し充電機能とソーラー充電が可能。
- 山善 手回し充電ラジオ YTM-R100
- 手回し発電に加え、USBからの充電もサポート。
- ソニー FM/AMポータブルラジオ ICF-B09
- 高いブランド信頼性と清潔な音質。
- パナソニック RF-NA030AR
- 強力な充電性能と信頼性の高い構造。
- エンゼルハイツ 多機能手回し充電ラジオ
- 緊急警報放送に対応し、手回しとソーラー充電が可能。
- テックライン 防災ラジオ
- 4000mAhの大容量バッテリーで、スマホ充電もサポート。
- クロスヘルズ 緊急防災ラジオ
- 多機能で様々な災害状況に適応可能、IPX4等級の防水性能を備える。
これらのモデルは、手回しやソーラー充電など、停電時にも使用可能な機能を持つものが多く、防災士による推薦があることから、信頼性と実用性が高いと評価されています。
まとめ
【南海トラフ地震】防災グッズにラジオは必要?おすすめラジオ10選についてまとめました。
- 災害発生時にラジオは不可欠であり、停電やネットワーク障害があっても重要な救助や支援情報を提供します。
- インターネットの普及によりラジオの重要性が見落とされがちですが、防災ラジオはこれらの状況下で役立つ唯一の情報源となることがあります。
- 有名メーカーの製品が常に最適とは限らず、市町村が無料で提供する場合もあります。
- 防災グッズとして防災ラジオは絶対に必要です。
防災ラジオの必需性についての3つのポイント
- 常時使用可能:ネット接続や外部電源を必要とせず、いつでもどこでも使用できます。
- 信頼性の高い情報源:公式な放送を通じて、正確で信頼性のある最新情報を提供します。
- 非常用ライト機能:電力が失われた状況下でも照明として活用可能です。
- 災害時にスマートフォンやタブレットを用いたSNSからの情報収集は便利ですが、自由に投稿できるため、必ずしも情報の信頼性が保証されるわけではありません。
- 実際に、災害発生時には不正確な情報や誤報が広まりがちです。
- これに対し、ラジオは長年にわたる信頼性と実績を持つメディアであり、地域密着型の正確な情報を提供します。
- ラジオはインターネット接続を必要としないため、通信インフラが寸断された状況でも情報を受信できます。
- 防災用ラジオは電池操作や手回し発電が可能なモデルも多く、電源の心配が少ないため、災害対策として非常に有効です。
8月8日に宮崎県で震度6弱の強い地震があり、これにより「巨大地震注意」が発令しますた。
引き続き注意をしながら、防災グッズの見直しや今からでも備えをしっかりしておきましょう。